フランスでの暮らし③終 自分にとっての豊かさとは何なのか。
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整理収納アドバイザーの高野ひかるです。
若かりし頃受けた、今尚続く影響、フランス式シンプルライフを振り返っております。
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フランス留学中に滞在したお家。
①でもお伝えしましたが築数百年の邸宅。
古さはもちろんありましたが、それもまた味わいと感じられる風情ある家でした。
ただの古い家にならない秘訣。
それは住んでいる人がその家の不便さも愛していて、大事にメンテナンスしていることが大きな要素かな、と思っています。
わたしが滞在している間、恐らく近所の大工さん?内装屋さん?のおじさんが何度もやってきてはお茶して修理して、そしてお茶して帰っていました。
なかなか手間のかかる家なのです。
バスルームは完全防水になってないので、バスタブから水が沢山はねると壁づたいに水漏れ。
その度、ヒカルはまだうちのお風呂に慣れてないから〜と笑い、入り方のコツを伝授されました汗
廊下も鶯張り的に鳴るので
学生主催のパーティに出て、真夜中に帰った時は靴をぬいで(いつもは家の中も靴ですが)忍び足でそうっと入ってもギシっ。
昨日は遅かったね〜とすぐバレる汗
そんなこんなで古くて不便は多少ありましたが、家族みんなが代々受け継いだこの家を誇りに思っていて大好きなのが、話の端々に現れていました。
☆☆
ある日私の部屋のドアが開きづらく、いつもの修理のおじさんがやってきた時。
この家は沢山直すところがあるね。と拙いフランス語で緊張しながら話しかけると
「家は生きてるからね」とおじさんがボソッと一言。
この時、
古くても修理しメンテナンスしながら大事に付き合っていく日常、に改めてがーーんと衝撃。
「モノを大事に使う」という言葉。
数え切れないくらい耳にし、目にしていたはずでしたが、
目の前で、自分の過ごす家で、実際に長い時間をかけて行なっている人々を見て、今までの自分の言葉の認識の甘さに気づきました。
私はモノを大事にしていたのかな?
どうでもいいものを増やして
使い捨てでもいいやと安いモノを買い
両親から送られた高価なものも使いこなせず
しまいこんで使わないモノも沢山。
目新しい価値観に飛びついては飽きて。
自分が心から本当にいいな・大事にしたいなと感じるモノ・コトは一体何なのか、とやっと少しずつ考え出したのは、フランス滞在時からだったのかもしれません。
☆☆☆
今の私の生活も、フランスのお家のような暮らしには正直まだまだ遠いです。
でも振り返ってみると
あの若い時に感じたフランス式シンプルライフの心地よさや堅実さ、合理的な部分や敢えて手間暇かける豊かさ。
その感覚を追い求めているような気がしています。
ただ言葉だけを知っているのではなく
肌で感じて強烈に染み込んでいく経験。
若い頃の事は特に強く影響していきますね。
いつかまた、あのお家フランスの家に行くことができたら、あの家にしっくりくる自分ででありたいな、と思っています。
そして、こらからもよりよい出会いに恵まれるよう、自分を整えていきたいと思う秋の1日なのでした。
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